います。

　　しかし、このカルシウムなどの量（以後骨量という）は、若年期をピークに年齢をとるにし

たがって減ってきます。

　そしてこの骨量が減少すると、骨の構造が壊れ、骨に鬆（ス）がはいったようにスカスカになり、もろくなっ

てしまう状態を骨粗鬆症といいます。

　今後の人口の高齢化に伴い、ますます増加するものと考えられます。

　骨粗鬆症は『自覚症状が少ない病気』です。初期の頃は全く症状のない場合もありますが、次第に腰が

曲がったり背中が痛くなったり、少しの衝撃でも骨折してしまったりするようになります。

　骨折は転んだ時に起こる事が多く、手首や腕、大腿骨などによく起こります。

　大腿骨の骨折は寝込む事による運動不足からさらなる骨量の減少という悪循環につながり、高齢者では

『寝たきり』の原因にもなることが

あります。

　また、脊椎には『圧迫骨折』といい背骨がつぶれる形の骨折が多く、背中の痛みや腰が曲がる原因に

なります。

　骨では生涯を通じて常に破壊と再生が繰り返されています。作られる骨の量より壊される骨の量が多く

なると骨粗鬆症になります。

　実際はさまざまな要因が重なって発症すると考えられています。

　�@カルシウムの摂取不足

　　　体内のカルシウム量が不足すると、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ為に、骨から大量のカル

シウムが溶け出し、骨がスカスカになっていきます。

　�A性別

　　５０才頃に閉経（更年期）を迎える為、骨量の減少につながります。

　　　男性では女性ほど急激ではないものの、６０才を過ぎると徐々に減っていきます。

　　　家族に骨粗鬆症の人がいたり、やせて華奢な人、胃腸が弱く下痢しやすい人はなりやすいといわれ

　ています。

　れています。骨に適度な重量を与えることは骨を強くします。

　肥っている人は体重が自然に骨にかかるため骨粗鬆症になりにくいと言われています。

　状態では骨粗鬆症が起こりやすいことが明らかにされました。

　　　それ以降、宇宙飛行士は特別な運動が課せられるようになったという事です。

　骨のもと、カルシウムを多く摂る事は最も重要です。ビタミンＤは腸でのカルシウムの吸収を

良くします。

　う面からも健康につながると考えられます。

　　これらはカルシウムの吸収を妨げて骨量の低下の原因となります。

　骨は前に述べた通りカルシウムとたんぱく質（コラーゲン）によって構成されています。

　骨の強さは、太さではなく、このカルシウムとコラーゲンの密度によって決まります。

　その量がどれ位あるかを調べるのが骨密度（骨量）測定で、骨粗鬆症の診断や予防に有効となり

ます。また、方法はいろいろありますが、今回は当医師会センターで行っている２法を紹介します。

　右手人差し指（第二中指骨）をコンピュータで解析して、骨量を測定します。

　　測定は短時間で済みますが、写真の現像やコンピュータ解析が必要なため、

　結果が出るまで多少時間がかかります。

　　量を測定します。体への影響がないので妊婦さんにもお勧めの方法です。

　　　測定は短時間で、その場での解析ができるため結果もすぐにわかります。

　毎年行われている『松阪市健康フェスティバル』でも受診可能です。