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胃の中に住むヘリコバコバクターピロリという菌をご存知でしょうか。
従来、胃の中は胃酸により強い酸性になっているため、細菌が生息できない環境だと考えられていました。しかし、 1983年にこの細菌が発見されてから、現在ではピロリ菌と胃炎、十二指腸潰瘍、胃がんなどとの密接な関係があること がわかってきました。 今回は胃潰瘍の真犯人と思われているヘリコバクターピロリ菌についてお話します。 |
★どんな菌? |
★感染経路 |
★ピロリ菌と胃の病気 |
★どのような検査をするの? |
●内視鏡を使う検査 内視鏡検査(胃カメラ)は、潰瘍や胃炎などの病気があるかを直接観察して調べると同時に 胃粘膜を少し採取して組織を調べる方法です。最近の内視鏡検査は以前に比べファイバー スコープも細くなり、かなり負担なく行える検査になっています。 1.鏡検法 組織を染色して顕微鏡で見る方法です。 2.迅速ウレアーゼテスト ピロリ菌がもつウレアーゼという酵素の活性を利用して調べる方法です。尿素の入ったところへ ピロリ菌がいるとアンモニアを作るため、そのアンモニアでpHが変化するのをpH試験薬の色の 変化で判定します。 3.培養法 採取した組織をピロリ菌の発育しやすい環境で培養して増殖を見るという方法です。培養には 数日かかりますが、確実に診断でき、さらに分離した菌を保存解析したりすることもできる優れた 方法です。
●内視鏡を使わない検査 内視鏡を飲まずに済むというメリットが大きく開発が進んでいます。 1.尿素呼気試験 特殊な試薬(炭素を含んだ尿素の錠剤)を服用し、吐く息(呼気)を採取して二酸化炭素を調べる 方法です。 2.血液検査 血液を採血してピロリ菌に対する血清抗体を測定する方法です。最も簡単で気楽に検査ができま す。しかし、残念ながら除菌の判定ができないのがネックのようです。 3.尿中抗体検査・便中抗原検査 その名の通り尿や便を調べるだけでピロリ菌の存在がわかるキットがあります。
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★治療法(除菌療法) |
☆★☆ 除菌のメリット ☆★☆ 潰瘍の再発が抑えられる 胃薬が手放せない、または薬をやめるとすぐに再発するという人はたくさんいると思います。ピロリ 菌がいるとわかった場合、除菌治療をすることで再発率をかなり低下させることができます。 胃がん発生のリスクを抑えられる ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生が抑えられたという疫学的データが報告されています。
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