トリアージタッグとは
松阪地区医師会では、毎年開催される松阪市総合防災訓練の中で、負傷者のトリアージ訓練を実施しています。トリアージは、平成7年の阪神・淡路大震災においても有効であったと証明されています。
トリアージの意味
トリアージ(Triage)とは、災害発生時などに多数の傷病者が同時に発生した場合、傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送を行うために傷病者の治療優先順位を決定することを言います。救急の原則と言われている3つのT、選別(Triage:トリアージ)、治療(Treatment:トリートメント)、搬送(Transport:トランスポート)の3Tのひとつです。トリアージ(Triage)は、フランス語で「選別」を意味する「trier」に語源を発し、良い物だけを選り抜く、選別するという意味で、フランス繊維商人が羊毛をその品質からいくつかのクラスに区分けするのに用いた言葉と言われています。医学の世界に応用されたのはナポレオン時代で、傷ついた多くの戦傷者の中から比較的軽傷者を手当てして戦線に復帰させ、重症者は後回しにするという戦略的な言葉として用いられたが、今日のようなトリアージの概念が確立されたのは第一次世界大戦後です。
トリアージタッグとは
  トリアージタッグとは、トリアージの際に用いる識別票(下図)のことです。災害現場で救助された負傷者は、トリアージ実施責任者によりトリアージ区分されます。そして、その区分に基づき医療機関に運ばれ必要な処置、治療を受けることになります。タッグに記載された内容は、適切な治療を受けるための重要な情報であり、被災地内の医療機関においては簡易カルテとして利用することも可能です。又、受入れ患者の総数や傷病程度別患者数をより的確に把握するこができます。
  用い方は、負傷者の右手首にタッグのゴム輪を二重に巻きつけますが、不可能な時は左手首→右足首→左足首→首の順になります。尚、タッグ用紙は3枚つづりで、1枚は災害現場用、2枚目は搬送機関用、3枚目本体は収容医療機関用となっております。


トリアージの実施基準
優先度  | 
識別色  | 
分類  | 
傷病等の状態  | 
第一順位  | 
赤 色  | 
救護処置、   | 
  体幹に重大な危険が迫っていて、速やかに(5〜60分以内)に救急医療機関で治療を開始すれば救命可能な人  | 
第二順位  | 
黄 色  | 
優先順位2番目群   | 
今すぐに治療しなくても生命に影響はないが、放置しておくと生命の危険がある人  | 
第三順位  | 
緑 色  | 
軽処置群   | 
トリアージタッグは未使用(手に取り付けるだけ)、救護所または近所の医院での救護処置で間に合う人  | 
第四順位  | 
黒 色  | 
不搬送、不処置群  | 
体幹や頭部に重大な損傷があり、既に生命反応がなくなりかかっている人、または既に死亡している人  |