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健康アドバイス66
ここ数年、咳をすると新型コロナウイルスの感染ではないかと心配になりがちです。しかし、咳の原因は新型コロナウイルス感染症以外にもたくさんあります。
咳はなぜ出るのでしょうか?
咳の役割は、気道の中にたまった分泌物(
風邪や肺炎などの炎症が起こると痰が増えます。このようなときは普段より咳が増えて痰も絡みますが、これは咳をすることによって痰を気道の外に排出させているのです。
でも、激しい咳は、時には肋骨骨折を起こすこともあります。
では、咳の原因になる疾患をみていきましょう。
気道内に細菌やウイルスなどの感染が起きると気道粘膜に傷害が起こり、咳が生じます。
感染初期は白色痰が多く、炎症が進むと膿のような黄色や緑色の痰が出てきます。炎症が軽くなってくると痰の色も薄くなり、量も少なくなります。
感染が収まった後も咳が残る場合があり、
この場合、数週間にわたり咳が続くこともありますが、通常は対症療法で自然に軽快します。
COPDでは慢性気管支炎と気道の閉塞病変が起こり、労作時息切れと
気管支喘息ではアレルギーによる慢性気道炎症があり、粘液の分泌増加が起き、咳痰が増えます。
気管支喘息の病型の一つとして、咳喘息があります。
これは喘息でしばしばみられる
経過中に典型的な気管支喘息に移行することもあります。
胃酸や胃の内容物が、胃から食道に逆流することです。逆流した胃酸などが気管内に入り、咳を起こします。逆流による咳は、体を横にして寝る姿勢になる夜間に多く、胸焼けを伴うことが多いとされますが、日中に出ることもあります。
慢性副鼻腔炎では、副鼻腔に溜まった鼻汁が咽喉(のど)に降りてきて(
肺がんなどの腫瘍も、早期では無症状ですが、気管支内のがんの進行や胸膜炎・がん性リンパ管症などの合併症により咳をきたします。長引く咳の場合はこのような重大な疾患もあり得るため、病院を受診して検査を受けることが大切です。
間質性肺炎も咳が多い疾患の一つです。痰を伴わない咳、労作時息切れが主な症状です。
高齢になると気道内に異物が入ってきても、それを排除するための咳をする機能が低下しています。その結果、誤嚥が起こり、食事のときにむせ易くなります。特に脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病、認知症などがあるとその傾向が強くなります。
気道の中に異物が入った場合の約50〜60%に咳が見られます。小児に多く、異物はピーナッツなどの食べ物、おもちゃ、生活用品 など多岐にわたります。突然始まった咳込み、呼吸困難により発見されることが多いとされます。
職業・環境により咳をきたす場合や、薬剤性の咳など、咳の原因は上記以外にもあります。
以上挙げてきたように、咳の原因は多数あり、原因に合った治療、対処法を選びます。
急性期の咳は一般的に感染症が多く、慢性の咳はその他の原因も出てきますので、咳が長引く場合は病院で診察・検査を受けて原因を調べ るようにしてください。