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健康アドバイス49
脳は、体の中で最も血流のに
体重 65kgの成人では、脳の重量は約1500gほどです。体重あたりので
脳の血管が何らかの原因で閉塞すると、短時間で脳梗塞に陥ってしまいます。大量のエネルギーを消費する脳に対して、治療効果が期待できるのは、極めて短時間に限られる事になります。
脳梗塞は大きく分けて次の1〜3の3つに分けられます。
1 心臓から血栓が飛ぶ・・・
2
3 脳の細かい血管(
脳梗塞にも様々な原因があり、使用するお薬も異なります。特に1の心臓から大きな血栓(血液のかたまり)が飛んで、脳血管が閉塞した場合には、意識障害など重篤な症状を呈する可能性があります。発症から4.5時間以内の早期であれば、アルテプラーゼという血栓を溶かすお薬を注入します。このお薬により劇的に症状が改善する事もあります。しかし、お薬単独では、血栓が溶ける事は少なく、症状が改善しない事もしばしばみられます。その場合には、血管内治療が必要となります。
脳梗塞の経時的変化
Netter解剖学アトラスより改編
頭部CTでみる脳梗塞の変化
様々なカテーテルを用いて脳の血管に詰まった血栓を取り出します。まずは、
85歳女性。201X年5月16日、畑で倒れている所を発見され救急搬送されました。来院時、意識障害と
MRI にて
術後、劇的に症状は改善しました。現在は、自力で歩いて外来通院されています。この患者さんは、心房細動という不整脈が脳梗塞の原因でした。
このような治療が奏功するのは、発症から出来るだけ早く治療開始出来た場合に限られます。発症から8時間以上経過すると、治療効果はほとんど期待できません。従って、脳梗塞が疑われた場合、出来るだけ速やかに医療機関を受診してください。
受診する科・・・脳卒中診療科(脳神経外科、神経内科)
急性期脳梗塞に対する血管内治療については、2015年に欧米でその有効性が示されました。その後、アメリカ心臓協会(AHA)、アメリカ脳卒中協会(ASA)より脳梗塞に対する血管内治療のガイドラインが発表されました。
我が国においても、脳卒中治療ガイドライン2015 (追補2017)にて、 内科的治療に追加して血管内治療(機械的血栓回収療法)を行う事が強く勧められています。