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健康アドバイス10
普段から生理のときに、腹痛などの生理痛に悩まされたことはありませんか?
生理痛のことを専門用語では、月経痛といいます。今回この月経痛についてお話しをしましょう。まず簡単に月経が起こる仕組みについて、簡単にお話します。
月経とは、約1ヶ月の間隔で子宮の内膜が出血をともなって剥がれ落ちることを言います。
月経周期はホルモンの指令によってコントロールされています。視床下部から下垂体へ、下垂体から卵巣へ、卵巣から子宮内膜へとそれぞれホルモンが分泌され、成熟した女性の体は妊娠に備えた準備を繰り返しています。卵巣では卵胞の成熟や排卵が起こり、子宮では子宮内膜の増殖が起こります。妊娠が成立しなかったときには、子宮内膜は剥がれ落ち、月経として体外に排出されます。
月経は女性の健康状態を示す大切なバロメーターです。まずは月経についてきちんと理解しましょう。
月経時に下腹部痛、腰痛などの骨盤痛や腹部膨満、嘔気、頭痛、疲労、脱力感、食欲不振、精神不穏、下痢などの随伴症状がみとめられます。月経困難症とはこれらの症状が病的につよく、日常生活に支障をきたすような場合を言います。
月経困難症の分類
機能性月経困難症(原発性) | 原因となる骨盤内病変が認められません。 | |
器質性月経困難症(続発性) | 原因となる骨盤内病変が認められます。 | |
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫 |
本来子宮内にしかない子宮内膜が子宮内以外の場所で増殖し、月経ごとに出血を重ねていく病気です。
ホルモン依存性の疾患で、診断治療を受ける率は増加しています。
20〜30歳代で発症し、30歳代前半にピークとなり、150人に1人の割合といわれています。生殖期間に進行し閉経で進行は止まります。ですから長い付き合いとなる疾患です。
≪症状≫
月経痛(66%)、腰痛・性交痛(31%)、不妊(17%)などです。
≪診断、検査≫
リスクのある女性、月経困難症や不妊症を訴える女性が対象となります。
問診により疼痛の部位や経過を詳しく聞きます。
内診にて子宮内膜症に特有な所見を確認します。
臨床的子宮内膜症とまず診断し治療となります。
確定診断には腹腔鏡検査が必要です。
≪治療≫
本来であれば腹腔鏡にて確定診断した上で開始すべきですが、通常は臨床的子宮内膜症として治療を行います。
妊娠を希望するかどうかで方針は変わります。
対症療法 | 鎮痛剤を使います。 | |
薬物療法 | ルなどのホルモン剤、漢方薬をつかいます。 | |
手術療法 | ・根治療法/卵巣と子宮を全部摘出します。 ・保存療法/卵巣、子宮を残して病巣のみ摘出します。 |
子宮は赤ちゃんを育て、分娩する時に重要な役目をはたす大切な臓器です。
大きさは鶏の卵くらいで、筋肉(平滑筋)でできています。この中に少し性格の違う平滑筋のコブのような塊ができると子宮筋腫と呼びます。
婦人科腫瘍の中で最も多く、30歳以上で20〜30%に認められます。
育つ場所によって呼び名が変わります。子宮の筋肉の中に埋まっているようなものを筋層内筋腫、子宮の外側に向かって育つものを漿膜下筋腫、子宮の中に向かって育つものを粘膜下筋腫と呼びます。症状は内腔に近いほど強くなります。
≪症状≫
月経痛、下腹痛、腰痛など。
月経の周期が短くなります。
月経の量が多くなります(過多月経)。→貧血
頻尿、便秘などもみられます。
≪診断≫
内診でわかりますが、小さなものは超音波検査で診断します。
≪治療≫
小さなものは、半年に1回の検査で経過をみます。
症状の程度や筋腫の大きさで治療法は選択されます。
妊娠を希望するかどうかで方針は変わります。
手術療法 | 子宮摘出術 | / | 妊娠を希望されない方、子宮全部をとります。 | |
筋腫核出術 | / | 妊娠を希望される方、筋腫のみを摘出します。 | ||
薬物療法 | 対症療法 | / | 鎮痛剤 痛みを軽減します。 増血剤 貧血の改善をします。 |
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偽閉経療法 | / | 薬物により月経を止めてしまいます。 投与期間は長くて6ヶ月です。 この間に筋腫の縮小を期待します。 筋腫を小さくしてから手術を行うときにも使います。 |
下腹部の痛みなどはありませんか?
腰痛、排便痛、性交痛などはありませんか?
生理に異常はありませんか?
出血量が多い、生理の期間が長くなった、血の塊が混じる、激しい生理痛などはありませんか?
こんな症状にも注意してください
おりものの異常(悪臭、血が混じるなど)、不正出血(生理以外の出血)、下腹部にしこりがある。