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健康アドバイス53
最近テレビなどでも取り上げられることが多くなっていますが、みなさん、
骨粗鬆症とは、骨折の危険性が増大した状態のことです。ですから骨粗鬆症になっていても骨折を起こさない限り痛みや自覚症状はありません。
しかし、音もなく忍び寄るこわい病気です。骨粗鬆症は「骨の老化」とも言えますが、多くの方は知らないうちに骨が弱ってきて骨折してしまいます。
骨粗鬆症の骨折は、転倒など日常のごく軽いけがで起こります。なかには背伸びをしただけで骨折する方もみえます。知らないうちに骨折するので「いつのまにか骨折」などとも言われています。
骨折の多くは
骨粗鬆症になりやすい人、なりにくい人をそれぞれ調べていると、どんな人が骨粗鬆症になりやすいか、つまり、骨折しやすいかがわかってきました。
年を取れば取るほど骨が弱くなってきます。医療が進歩し長生きできるようになっても骨が弱ければ骨折する可能性は増えていきます。特に女性は更年期あたりから急激に骨が弱ります。
女性は男性よりも骨が弱い傾向にあります。
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家族歴(遺伝)、喫煙、ステロイドの長期使用などが骨に影響します。ご両親や祖父母の腰が曲がっていた方は要注意です。また成長期にカルシウムが不足したり、無理なダイエットで骨が弱っていることもあります。
骨密度検査(
骨粗鬆症の治療を行えば骨折の危険性を減らせる、つまり、将来起こるべき骨折を回避できる可能性があります。実際、骨粗鬆症治療が盛んな国では骨粗鬆症の骨折は少なくなっていますが、残念ながら日本においてはまだ減っていません。
薬以外の方法としては運動があります。筋肉を
骨の薬と言えば、皆さん「カルシウム」と思われる方が多いです。もちろん若い人はカルシウムが不足すると丈夫な骨が作られません。 しかし、高齢者の骨粗鬆症には残念ながらカルシウムだけではあまり効果がないことがわかってきました。カルシウムやサプリを飲んでいるから大丈夫、ということはありません。 カルシウムやサプリはあくまで補助と思ってください。
骨にも新陳代謝があり、常に古い骨が吸収され(骨吸収)、新しい骨が作られています(骨形成)ので、体じゅうの骨は少しずつ入れ替わっているのです。健康な体はこれらをバランスよくおこなっています。 骨粗鬆症は骨の代謝バランスがくずれ、形成や吸収がうまくいっていない状態なのです。
現在、日本で使われている骨粗鬆症の薬は、骨吸収をおさえる薬と骨形成を促進する薬に分けられます。飲み薬と注射があり、それぞれ特徴があるので、一人ひとりにあった薬を処方してもらうと良いでしょう。
まずは、かかりつけ医や整形外科で相談することが大切です。骨折の危険性が高いようなら骨粗鬆症の治療を開始して、将来の骨折を予防できれば皆さんの老後もより安心なものになるでしょう。