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内科と関係する眼科の病気
健康アドバイス8
糖尿病や高血圧、外傷などにより眼底に出血が起こり、その血液が硝子体に入って突然、飛蚊症の症状がでます。
【糖尿病性網膜症・・・・・・中途失明者の第1位】
生活習慣病のひとつである糖尿病は、全身のさまざまな部位に合併症を引き起こす厄介な病気です。『糖尿病性網膜症』、この病気による失明者が急増しているために問題になっています。この合併症は決して珍しいものではなく、全糖尿病患者の5分の1程度は、糖尿病が悪化したために失明の一歩手前にいると推定されます。
糖尿病は、他の目の病気より自覚症状に乏しく、糖尿病になってから10年位は症状が出にくく、本人が病気に気付く頃には、かなり症状が悪化しているケースが多い。
そのため、ある日突然眼底出血や網膜剥離を起こし、視力が悪化することもあるのです。
●症状と進み方
糖尿病性網膜症は、次の3つの段階をたどってじわじわと進んでいくのが特徴です。
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分 類 |
眼底所見 |
自覚症状 |
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単純網膜症 |
網膜の小出血・毛細血管瘤 |
全くない |
もろくなった毛細血管から血液が染み出てくる。 |
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前増殖網膜症 |
網膜の細小血管拡張・閉塞 |
ほとんどない |
毛細血管が部分的に閉塞してくる。 |
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増殖網膜症 |
新生血管の発生硝子体出血・網膜剥離 |
視力低下失明 |
毛細血管が詰まったために起こる酸素欠乏を補うために新生血管ができる。 |
●治療は・・・
糖尿病網膜症は、血糖のコントロールを柱にして進行に応じて治療を行ってきます。
糖尿病を悪化させないように、食事・運動・薬物療法を組み合わせて、内科的な治療を行うことになります。
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分 類 |
治 療 |
単純網膜症 |
内科的なコントロールが治療の第一です。それとともに止血剤や血管拡張剤などの内服で経過観察を行います。 |
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前増殖網膜症 |
新生血管の発生を防ぐために『レーザー光凝固術』を行います。この時期を逃さないことが、治療のポイントとなります。レーザー光凝固術は入院せずに外来で出来ます。 |
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増殖網膜症 |
ここまで進行すると光凝固術での治療は難しく、外科的な硝子体手術が行われます。硝子体の濁りや網膜剥離は60〜70%が治りますが、完全な視力の回復は難しい。 |
●糖尿病のその他の目の症状
【高血圧眼底】
血管には動脈と静脈とがあります。動脈は体のすみずみまで血液を運ぶ血管、静脈は組織から血液を運び去る血管です。栄養分や酸素を血液から与え、また組織から老廃物を運びさる仕事をしているのが毛細血管という一番細い血管です。心臓から出た大動脈は枝分かれしながらだんだん細い血管となって組織に行きますが、組織で実際に働いているのは、毛細血管です。この毛細血管になる前が細動脈といい、この細動脈の状態を知ることが高血圧の診療にとっても重要なのです。
日本はここ20年ほどの間で急速にOA化が進みました。これに比例するように増えている目の病気が『ドライアイ』と呼ばれる重症の乾き目で、現代では800万人以上の患者がいると推定されています。この病気は全身性の病気が原因となって起こることもありますが、今問題となっているのは、目の酷使と慢性的な疲労が作り出すタイプです。
パソコンをはじめとするOA機器のことを、VDT(ビジュアルディスプレイターミナル)といいます。このVDTを使うとき、私たちはモニターをじっと見つめてなくてはなりません。するとまばたきの回数が減少し、涙が目の表面に十分行き渡らなくなります。
私たちの目にとって、涙は角膜の汚れを取り除き、栄養を補給するという重要な働きをしている必需品です。この涙が減ってしまうと、当然目の表面が乾いて角膜が傷つきやすくなります。また、涙の減少にあわせてその成分もバランスを崩し本来の働きをはたせなくなります。すると、目の乾きや重い感じ、痛みや充血・慢性的な疲労感、不快感といった症状があらわれます。
●涙はどこからきて、どこにいくの?
上まぶたの外側あたり(耳側)にある主涙腺という涙の生産工場からでてきた涙は、目の表面を潤します。まばたきをする度に、目の表面に一定量の涙が送りこまれます。乾きそうになるとパチリ、またパチリ。私たちは1分間に15〜20回のまばたきを繰返して、目の表面をリフレッシュさせています。このようにして、目の表面を潤す涙は約10%は蒸発し残った90%の涙は目の内側(鼻側)にある涙点から鼻に流れていきます。
●涙の働き
1) 目の表面を外界から守り、乾燥を防ぐ。
2) 角膜に酸素や栄養分を届ける。
3) 目が鮮明に像を結べるように、角膜表面を滑らかに保つ。
4) バイ菌などの侵入や感染を防ぐ。
5) ゴミやホコリを洗い流す。
(1)近くを見続けない
集中してものを見続けると、目の周りの筋肉を疲れさせるだけでなくまばたきの回数が少なくなるため、涙の分泌量が極端に減るためです
(2)空気をきれいにする
空気中にホコリが多い状態では、汚れを含んだ涙が排水口で目詰まりを起こし、痛みやかゆみの原因になることがあります。
(3)乾燥を防ぐ
空気が乾燥しすぎているときは、意識的にまばたきをしたり、点眼薬をさすなどの対策が必要です。
(4)夜更かしをしない
もともと人間の体は、夜間は涙の分泌量を減らす仕組みが備わっているため、この時間帯に睡眠をとらずに起きていれば、どうしても目の表面が乾きやすくなってしまいます。
(5)ストレスをためない
精神的なストレスがたまり緊張すると、まばたきの回数が少なくなり涙の分泌量が減ることがわかっています。できるだけリラックスを心がけ、目に与える負担を減らしてください。
●理想の仕事の時の姿勢と環境
1) 十分な明るさ
2) 40〜50cm離し キーボードを画面の近くに置く
3) 視線はやや下向き
4) 画面の反射をさえぎるフィルターの利用
5) 背筋を伸ばす
●理想の仕事の時の姿勢と環境
あくびをすると涙がでるのはなぜ?
あくびをすると、顔の筋肉が働いて涙の袋を押さえつけます。そのため、涙の袋に溜まっていた涙がでてきます。そのため、何回もあくびをすると涙は出なくなります。
赤ちゃんが泣いても涙があふれないのはなぜ?
生まれた直後は、脳が未発達であり、精神的・情緒的な興奮がないため涙はでてきません。生後2〜3ヶ月までの赤ちゃんは、目を守るため涙は絶えずありますが、悲しい嬉しいとかで涙を流すことは無いと言われています。
日本人と外人はなぜ泣き方が違うの?
日本人は目にハンカチをあてて、外人は鼻にハンカチをあてて泣きます。日本人は、目と鼻をつなぐ鼻涙管が細く流しきれずに目から涙があふれるので、目にハンカチをあてて泣きます。西洋人は、日本人に比べて鼻涙管が太く多量に涙が鼻へ流れるため鼻にハンカチをあてます。
眠くなると目がショボショボするのはなぜ?
眠るということは、脳や体が休んでいる状態です。この眠りにつく前から、脳は自然に涙の量を減らしています。そのため、眠くなると目頭がショボショボしてきます。