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健康アドバイス14
46歳 男性、身長171cm 体重82kg。最近おなかの出っ張りが目だって、85cmのズボンがきつくなってきました。会社の健診で、血糖値が高めなので甘いものを控えるように言われています。中性脂肪が高いと言われましたが、コレステロールは正常との事で安心しています。血圧は以前より高いと言われていますが、特に症状もないのであまり気にしていません。
働き盛りのお父さん。子どもの塾代も年々増えてきて、残業も率先して引き受けている典型的なサラリーマン。学生時代に運動クラブで鍛えた身体。まだまだ大丈夫と過信していませんか?
「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ」
これは、厚生労働省の掲げる健康増進月間の統一標語です。今一度、あなたの生活習慣を見直してみましょう。
我が国の主な死因
我が国における死因を年次的にみてみると、戦前の結核、肺炎といった感染症による死亡は減少し、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患が3大死亡原因となっております。これら3大死因の成因は、20%が病原体や有害物質などの外部環境因子、20%が遺伝子異常や加齢などの遺伝要因、そして残りの60%は食習慣や運動習慣、嗜好、休養のとり方などの生活習慣要因といわれております 。
運動習慣、食習慣、喫煙、飲酒、休養等の生活習慣がその発症・進行に関与する疾患群のことで、生活習慣を良くすることで病気の発症や進行を予防できる病気のことです。
この考えは、なにも今になって新しく言われていることではなく、古くは1965年にカリフォルニア大学のブレスロー教授が7つの健康習慣の有無が寿命に影響することを報告しております。
1.適正な睡眠時間 2.喫煙をしない 3.適正体重を維持する 4.過度の飲酒をしない
5.定期的に運動をする 6.朝食を毎日食べる 7.間食をしない
これら7つの健康習慣を守っている80代の高齢者は、全く守っていない30代の若者のそれと同じとの事です。生活習慣は個人の自由だ。好きにする。ほっといてくれ!と思っていませんか?
健康増進法の中に、国民の責務として ―
国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない、とうたわれています。生活習慣を改善しないと、あなたは法律違反を犯している事になるのですよ。
メタボリックシンドロームとは?
日本で「肥満」という言葉が登場するのは、平安末期に書かれた「病草子(やまいのそうし)」という書の中で「ひまんの女」と題した一文です。高利貸しの女性が美食で太り過ぎて歩けなくなり、介助の人に手をとってもらって歩く姿が描かれています。 このように、かつては肥満は裕福な人たちに多かったのですが、現在はファーストフードやコンビニの食事に油を多く使っているものが多いことにより、誰でも肥満になりやすい環境になっています。
皮下脂肪ばかりがついている人は病気になりにくい一方で、腹の周り、つまり腹腔内に脂肪がたまる人は糖尿病や高脂血症になりやすいことが分かってきました。前者を皮下脂肪型肥満、後者を内臓脂肪型肥満といい、男性ではへそまわりが85cm以上、女性では90cm以上が糖尿病や高脂血症、高血圧を併発することが多く、これらが合わさると動脈硬化が進行して脳卒中や心筋梗塞に陥る危険性が高くなることより、肥満に軽度の脂質異常や血圧高値、高血糖が2つ以上合わさったものをメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と呼んでいます。
まず食べ過ぎです。脳の視床下部には食欲の中枢があり、満腹を感じる満腹中枢のレベルが高まっていると、食べ過ぎてしまいます。太って胃袋が大きくなると、たくさん食べないと満腹感が感じられません。ストレスによる過食もあります。
次に間違った食べ方。一日2食、夜に多く食べる。消化・吸収にはエネルギーが必要ですが、食事の回数が減ると、このエネルギーが節約されてしまいます。また夜は食べたものが栄養として消化・吸収されやすい状態になっていますので、夜たくさん食べることは太る原因となります。
次に運動不足。身体に入ってきたカロリーと使ったカロリーの差し引きで体重は決まります。食事量を少し減らしても、運動をしなければ身体は基礎代謝を減らして節約モードに入ってしまうため、差し引きゼロとなりなかなかダイエットが成功しません。ここで食事量を元に戻すと、身体は節約モードのため、かえって体重が増えてしまいます。
遺伝も関係します。両親が肥満者の子供の8割が肥満児という調査結果がありますし、最近では体脂肪量をコントロールするレプチンというホルモンや脂肪細胞のエネルギー発散に係わるβ3受容体などの異常が肥満の原因となることが発見され、この面での研究も進んでいます。肥満の原因は遺伝3割、生活習慣7割です。
生活習慣病予防に運動基準案
「厚生労働省」
仕事や家事が忙しくてなかなかジムに通ったり、運動する暇がないというあなた。厚生労働省は、日常生活の身体活動をうまく取り入れた運動基準案を出しています。これなら暇がないといっているあなたにも出来そうでは?
生活習慣病予防に必要な運動所要量を日常生活の「身体活動」と、スポーツなどの「運動」に分けました。身体活動なら普通歩行20分、庭いじり15分、運動なら速歩15分などと具体例を示し、それぞれに「1個」という単位をつけました。
その上で、運動習慣のない人は身体活動のメニューから「1日に3、4個」(1週間で計23個)、運動習慣がある人は、運動メニューから好みに合わせて「1週間に4個」を日常生活に採り入れるよう勧めています。
例えば、主婦の場合は買い物で20分歩く(1個)、床掃除20分(1個),子どもと20分遊ぶ(1個)で計3個、休日の会社員なら洗車20分(1個)、庭いじり30分(2個)を組み合わせて計3個の計算になる。 (2006.2.24 朝日新聞)
肺がんのリスクは、禁煙して10年で喫煙を続けていた場合の30〜50%に減少。心筋梗塞の超過リスクも禁煙1年で50%に減少。50歳までに禁煙すると、その後の15年間の死亡する確率は半減。がんの原因の三分の一は喫煙。喫煙者では脊椎圧迫骨折が多い・・・挙げればキリがありません。
喫煙は、個人の嗜好という考えや病気の原因という考え方から、最近では喫煙そのものが病気であるという考えになってきております。
病気であるからには健康保険が効きます。いつも3日坊主で禁煙できないあなた!かかりつけ医に相談されてはいかがですか?
●検査で異常はあるが自覚症状のないもの
●自覚症状はあるが検査では異常がないもの
健康と病気の間で予防治療が可能な状態を未病といいます。病気の予防には健康を増進し発病を予防する一次予防、病気を早期に発見し早期に治療する二次予防、そして病気にかかった後の対応の三次予防があります。生活習慣病の予防には、一次予防が欠かせず、人任せにせず自ら生活習慣病を予防する意識を強く持つことが大切です。
★病気が治せないのは困った医師
★病気を治すのは普通の医師
★未病を治すのが最上級の医師
未病の主治医はあなた自身なのです。
もう一度おききします。
46歳 男性、身長171cm 体重82kg。最近、おなかの出っ張りが目だって、85cmのズボンがきつくなってきました。会社の健診で血糖値が高めなので甘いものを控えるように言われています。中性脂肪が高いと言われましたが、コレステロールは正常との事で安心しています。血圧は以前より高いと言われていますが、特に症状もないのであまり気にしていません。
あなたは健康ですか?