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健康アドバイス12
お薬は、正しい使い方によって初めて効果を発揮するものです。医師の指示通り飲まなかったり、間違った使い方をすると病気の症状を悪化させたり、またアレルギーをおこすなどの思わぬ副作用がでる場合もあります。今回はお薬のことについて知っておきたいことをご紹介いたしましょう。
お薬はコップ半分から一杯の水(湯)で飲みましょう
お薬は、水(湯)で飲んで最も効果があるように作られています。又、お薬をしっかり溶かすために充分な水(湯)の量も必要です。牛乳やジュースで飲んだりすると吸収が悪くなったり、逆に効果が強く出すぎてしまうものもあり、期待通りの十分な効果が発揮できない事があります。お茶で飲んだりする方も多いようですが、貧血のお薬などは、効き目が悪くなるものもあります。また最近は、口の中で 溶けるように開発されたお薬もあり、唾液で溶かして飲み込む錠剤などもあります。
お薬は指示どおりの時間に飲みましょう
お薬にはそれぞれ適した服用時間があります。誤った時間に服用すると、胃に負担をかけたり、吸収が落ちたりしてしまうため十分な効果が期待できないことがあります。気をつけましょう。
■食前 |
食事の30分くらい前 |
■食後 |
食事の30分くらい後 (または食直後) |
■食間 |
食事と食事の間(食後2〜3時間くらい) |
■時間毎 |
なるべく等間隔の時間で飲むこと |
■とんぷく |
何かの症状(痛み、発熱など)が発生したときに飲むお薬です。 |
上記に記載しました服用方法は、一般的な服用法です。 |
お薬は高温、湿気、光をさけて保管してください
お薬は高温や湿気、光で化学変化をおこして効力がおちたり、副作用の原因になったりします。出来るだけ湿気や直射日光の当たらない場所が最適です。缶や密封できる容器に乾燥剤など入れ保管するのがよいでしょう。お薬によっては冷蔵庫(〜10℃前後)に、入れておく必要のあるものもあります。
お薬にも“相性”というものがあります。仲の悪いもの同士が体内でハチ合わせすると思い通りの効果が出てこなかったり、思わぬ副作用が出てきたりします。
お薬とアルコール
アルコール自体には中枢神経抑制効果があるため、安定剤や睡眠薬、抗うつ薬などと一緒に服用すると、倦怠感、眠気などの作用がより強く出てしまいます。
また、アルコールは肝臓で代謝されるため、同じように肝臓で代謝されるお薬の分解が悪くなり、いつまでも体内に一定量が残るため 結果的に働きを増強してしまいます。
お薬と健康食品(サプリメント)
比較的手に入りやすい健康食品にもお薬との飲み合わせが悪いものもあります。原料になっているハーブなどは、昔から薬草や薬として民間療法に用いられてきたものも多く、健康食品として販売されていますが、使用量や飲み合わせには 注意してください。また成分の記載の無いものは飲まないようにしましょう。
ワーファリンと納豆(ビタミンK含有食品)
食べ物では、納豆とワーファリンの関係がよく知られています。ワーファリンは血液を固まらせるビタミンKの働きを抑えて、血液を固まりにくくする薬ですが、納豆菌は腸の中でビタミンKを作り出し、ワーファリンの作用を妨げてしまいます。ワーファリン服用時には納豆やクロレラのみならず、ビタミンKを多く含有する緑色野菜の摂取には、気をつけなければなりません。
お薬とグレープフルーツ
グレープフルーツ中に含まれるフラボノイドの中に、お薬の肝臓での代謝を妨げてしまうものがあります。そのため、一部のお薬は一緒に服用するとお薬の効果が通常よりも強くあらわれてしまいます。
お母さんが飲んだお薬の多くは、胎盤を通って赤ちゃんの身体に入ります。そのため、妊娠中はむやみにお薬を飲まないほうが安全です。
但し、飲んだお薬が胎児に影響を及ぼすリスクは、薬の種類や服用した時期によっても大きく異なります。
お薬を飲まれる時に一番注意が必要なのは「妊娠したかも?」と気づく頃、妊娠4〜7週目です。この時期は、胎児の中枢神経や心臓、消化器、四肢などの大事な臓器や器官が形成されるので、特に医師が指示した以外のお薬は避けた方が良いでしょう。
また授乳中もお母さんの母乳からお薬が赤ちゃんの体内に入ります。生後2ヶ月までの乳児や新生児は、まだ薬剤の分解、排泄機能が未熟であるので注意しましょう。どうしても必要なお薬の場合は、より母乳中への移行率が少ないお薬への変更を検討してもらいましょう。授乳を止めて人工乳に切り替えれば心配ありません。
まずは信頼できる、かかりつけ医・かかりつけ薬局をもちましょう
かかりつけ医とは、あなたの健康に関する一番身近な『相談役』の医師のことです。かかりつけ医の良さは、継続して診察を受けることにより体質や病歴などを把握してもらえる事にあります。また、家族全員で受診していれば、各個人の生活習慣などもわかりやすくなり、より的確に診断が可能になります。
できれば自宅か職場の近くにある診療所の中から自分に相性の良い医師を選んで、検査や治療を受けたりして、日ごろから身体の具合をチェックしてもらってください。身体のことに関する相談もしてみると良いでしょう。
あなたの身体のことは、まず、かかりつけ医に相談し、必要に応じて専門病院を紹介してもらいましょう。
さらに、かかりつけ薬局ではあなたの薬歴(お薬の使用の記録等)を作り、お薬の重複や飲み合わせなどを確認し、お薬についてわかりやすく説明します。
お薬の名前や飲み方、注意事項などを書いたお薬手帳や、効きめや注意すべき副作用などを記載した文書などをお渡しすることもできます。
かかりつけ薬局を決めておけば、お薬について気軽に何でも相談できて安心です。
初めて行く病院や診療所では飲んでいるお薬を必ず伝えましょう
また、症状や過去の病歴、毎日飲んでいるお薬の名前を知っておきましょう。初めていく病院や診療所などでは、飲んでいるお薬の名前をしっかり伝えることで、似たような種類のお薬や、飲み合わせが悪いお薬が、処方されるのを防ぐことが出来ます。
お薬は、その時の症状であなたに処方されたものです。似たような症状でも体重や年齢が違えば微妙に処方は変わってきます。たとえ外用薬でも他の人にあげたりもらったりしないように。お薬は、自分の決められた用法・容量を守り正しく服用しましょう。