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健康アドバイス9
目の中に黒い点のようなものがちらつく症状を『飛蚊症』と呼びます。
これは中高年の人によくみられ、目を閉じていると、目の端のほうに光が走るのを感じるという症状です。老化に伴って起こる硝子体の変化が原因となりますが、この変化はやがて『網膜剥離』につながる場合もあるため、症状に気付いたら眼科で網膜のチェックを受けてください。
特に目の異常を感じていなかった人が、突然何も見えなくなることがあります。これは、何らかの原因によって網膜の毛細血管が詰まってしまうために起こる症状です。脳の血管に異常が起きていることもあり、詳しい検査が必要です。
明るい所や白い壁、青空などを見つめた時に、目の前に虫や糸くずなどの『浮遊物』が飛んでいるように見えることがあります。視線を動かしてもなお一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをしても目をこすっても消えませんが、暗い所では気にならなくなります。このような症状を医学的に『飛蚊症』と呼んでいます。
眼球の中の大部分は、硝子体と呼ばれるゼリー状の透明な物質がつまっています。角膜と水晶体を通して外から入ってきた光は、この硝子体を通過して網膜まで達します。
ところが、硝子体に何らかの原因で『濁り』が生じると、明るいところを見たときにその濁りの影が網膜に映り、眼球の動きとともに揺れ動き、虫や糸くずなどの『浮遊物』が飛んでいるように見え、飛蚊症として自覚されます。この“濁り”には、生理的な原因と病的な原因によるものとあります。
以前から見える飛蚊症の数や形に変わりはありませんか?
高脂血症も大変重要な危険因子とされております。昨年日本動脈硬化学会が年齢、性、他の危険因子の持ち合わせと関連させて適正な総コレステロール・中性脂肪、悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)基準値を推奨しています。特に糖尿病、虚血性(血液循環不良)変化の有無を重要視しているのが特徴です。循環器系疾患との因果関係が深いからであり、この循環器系疾患の発生を予防する為に、この「高脂血症」を是正しておこうとの専門医の強い願いが込められての勧告です。
高齢者に出るのは老化現象・近視の人にも同じような症状がでます。
1.年をとると硝子体は、ゼリー状から液状になり収縮して網膜から剥がれます。
2.このような変化が、飛蚊症の症状をもたらします。
3.これは、髪が白髪になるのと同じようなものなので心配ありません。
4.若い人でも強度の近視の場合には、硝子体剥離が早い時期に起こり易く、しばしば飛蚊症の訴えがあります。眼科の検査において、このタイプの飛蚊症と診断された場合はひと安心です。ただし、このタイプの場合も時には網膜裂孔や網膜剥離という病気を引き起こすこともあるため定期的に検診を受けてください。また、“浮遊物”が急に増えてきた場合は早急に眼科に受診してください。
『飛蚊症』の症状の急な変化は、目の病気を知らせるサイン
1.網膜裂孔・網膜剥離 2.ぶどう膜炎 3.硝子体出血・眼底出血
『網膜剥離』とは、眼球内で映像を映し出す“フイルム”の役割をしている網膜が何らかの原因で剥がれて、視力の著しい低下を引き起こす病気です。けがや糖尿病などが原因で起こることもありますが、多くは老化によって起こります。
前にお話ししたように、年を重ねると硝子体はゼリー状から液状に変化し、硝子体は次第に収縮し網膜から剥がれます。このとき網膜裂孔があると、硝子体の水分が網膜の裏側に入り込んで、はがれをどんどん押し広げるようになります。これが網膜剥離の状態です。
◆自覚症状
(1)飛蚊症
ある日突然視野に黒いものがあらわれます。『○月○日に急に出てきた』といわれることがほとんどです。
(2)光視症
暗いところや目を閉じたとき、視野の隅に光を感じます。これは、網膜と硝子体の剥がれるときに起こる症状です。
(3)視野欠損
視野が隅のほうから欠け始め、次第に見えない部分が広がります。これは網膜が剥がれていくため、視野の隅のほうが欠けてきます。
こんな人は要注意 !!
1. 40歳以上の中高年
網膜剥離は硝子体の老化がひとつの大きな原因のため。ピークは40〜60歳の働き盛りの方です。『光視症』が大きなシグナルとなります。
2. 強度の近視の人
目の老化が進んでない20〜30代の人に起こる網膜剥離は、強度の近視が原因の場合が多い。これは、近視が強いと目の長さが長いため、網膜が引き伸ばされて破れやすいようです。
3. 重症のアトピー性皮膚炎の人
10〜30代の若い人に多いアトピー性皮膚炎と網膜剥離の因果関係は、はっきりわかってないが、このタイプは再発率が高いため検査を受ける必要があります。
◆治療
(1)レーザー光線
裂け目や裂ける直前の状態が確認されたら、剥離を引き起こさないように裂け目を閉じる『光凝固』治療を行います。これは、裂け目にレーザーをあて、焼きつけて閉じる方法です。
(2)手術
すでに網膜が剥がれてはじめているようなら、眼球の外にシリコンを縫いつけて外側から網膜を押し付ける手術や、網膜を引っ張っている硝子体を切り離し、中にガスを入れる手術などを行います。
※片目が網膜裂孔や剥離を起こした場合、やがてもう片方の目にも症状がでる可能性が高いため、治療後も年に1〜2度定期検査を行うようにしてください。
虹彩・毛様体・脈絡膜をまとめて『ぶどう膜』といいます。メラニン色素に富・黒みがかっているためブドウの様に見えることから名前がつきました。これは、瞳孔以外から不要な光が目に入るのを防ぐ、暗箱の役割をしています。
ぶどう膜に炎症が起きたものを、ぶどう膜炎といいます。炎症が起こると充血したり、かすんだり、虹輪視(こうりんし)といって電灯の周りにもうひとつの光の輪が見えるという症状がでます。また眼底出血を起こした場合、飛蚊症を自覚する場合もあります。
ぶどう膜炎の原因はウイルスや細菌などの微生物の感染によるものと免疫異常によるものと分けられ、全身疾患に関係したぶどう膜炎も多い。 ぶどう膜炎が持続すると、白内障や緑内障といった合併症を引き起こすこともあります。
糖尿病や高血圧、外傷などにより眼底で出血が起こり、その血液が硝子体に入ると突然、飛蚊症の症状が起こったり、目の前に赤いカーテンを引いたように感じます。出血の量や場所により視力が著しく低下します。
●ごろごろした異物感を伴う痛み
目の中がごろごろして痛いというのは、よくある症状です。目のなかに異物が入ったために起きる痛みは、異物さえ取り除けばおさまります。しかし、異物を取り除いても涙がでたり、真っ赤に充血している場合には、異物が目を傷つけてしまった可能性もあるため、むやみにいじらず、すぐに眼科でみてもらうようにしましょう。
●目の周囲をさわると痛い
まぶたや目の下を触ったり押すと痛むという場合、まぶたに(ものもらい・めぼ)ができていることが多いのですが、眼球の一番外側を覆っている強膜に炎症が起きていることもあるため眼科の受診をしてください。
※ものもらいは早く治療すればするだけ早くきれいに治ります。
●痛みとともにまぶしさを感じる
これは、目がとても疲れたときにも起こるため、放置されがちな症状ですが、気をつけていただきたいのは、角膜や虹彩の炎症による場合もあるためです。炎症は細菌感染や、コンタクトレンズで角膜に傷をつけてしまったときなどに起こります。目を休めても症状が改善しないようなら、診察を受けるようにしてください。
●目の疲労感と痛み
近視や遠視・乱視といった『屈折異常』がある目には、正常な目よりも疲労がたまりやすいため、疲れからくる『痛み』を訴えることがあります。この症状はメガネやコンタクトレンズを使い、適当な視力に矯正することで改善されますが、目の酷使から眼精疲労がや、ストレスの影響を受けているようだとなかなか解消できません。
●発作的な激痛
この症状は特に要注意です。角膜に傷ができていても激しい痛みを感じますが、急に眼圧が高まって(急性緑内障)を起こすと、転げまわるほどの痛みがあります。そしてこの発作から48時間以内に適当な処置をとらないと失明する危険性もあります。このような(急性緑内障)の発作の場合でも、その前に必ず見え方の異常やかすかな痛みを感じ場合が多いので小さな異常を放置しないでください。