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健康アドバイス24
内臓脂肪型肥満の人が心筋梗塞や脳卒中になりやすいとの考えから、2005年にメタボリックシンドロームの診断基準が定められ、2008年4月より健診システムが変更されて特定健診・特定保健指導が実施されるようになりました。皆さん、結果はいかがだったでしょうか? |
「臍(へそ)まわり85cmを超えて、メタボって言われちゃった」という様に、『85cm』と『メタボリックシンドローム』という2つの言葉は一般に浸透しましたが、単なる肥満と言われたと軽く思っていませんか?大切なのは、肥満から引き起こされるその先の事! |
『肝臓』の悲鳴 |
肝がんを除いた肝疾患は、自殺や事故死を除いた病死による死因の6位を占め、全死因中最多の悪性新生物の中で肝がんは男性3位、女性5位となっております。肝がんの9割以上がB型肝炎やC型肝炎による持続感染が原因で、肝がん撲滅のため2002年から5年間にわたって肝炎健診が行われましたが、皆さん受けられましたでしょうか? 肝炎は(−)だったから安心してお酒が飲めると思っていませんか?アルコール性肝疾患は肝硬変の15〜20%を占め、脂肪肝からアルコール性肝炎、肝線維症などの原因となっていることを忘れないでください。お酒もあまり飲まないし、休肝日もつくっているから肝臓はいたわっていると思っているあなた!健康診断の肝機能検査でGPT(ALT) 31 IU/L以上であれば肝臓が悲鳴をあげています。 |
『NASH』(ナッシュ)
肝臓に脂肪がたまった状態を脂肪性肝疾患(fatty liver disease)といいますが、過食、運動不足等による肥満により、アルコール摂取量が日本酒1合/日以下あるいはビール大瓶1本/日以下(エタノール換算で1日20g以下)の人での非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver disease : NAFLD)が増加してきております。脂肪肝は、これまでは予後良好な、元に戻る病気と思われてきましたが、なかには肝細胞が壊され、線維化が進んで肝硬変、肝臓がんにまで進行する非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis : NASH)が注目されております。
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■NASHの治療 治療の原則は、減量による内臓脂肪の減少と、合併する糖尿病・高血圧・脂質異常症等の生活習慣病の治療です。NASHの1/4は肥満が認められませんが、肥満例においては減量に勝る治療法はありません。3〜5kg程体重を落とすだけでも脂肪肝の改善が期待でき、インスリン抵抗性の改善も期待できるといわれていますが、肝機能が正常化しても肥満状態が続けばNASHの病態は進行する事が報告されており、正常体重にまで戻すことが必要です。
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『腎臓』の悲鳴 |
毎年3月の第二木曜日は何の日か御存じですか?
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『CKD』(シー・ケー・ディー) |
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease : CKD)とは腎機能障害が慢性的に続く状態で、末期腎不全になって透析療法になるばかりでなく、脳卒中や心筋梗塞・心不全といった心血管病変の大きな危険因子でもあります。腎臓だけでなく生活習慣病すべてに関連しておりますが、CKDの怖いところは、肝臓と同様、自覚症状がほとんどなくても進行しているということです。 |
■CKD の診断 |
CKD は下記の片方または両方が3 カ月以上持続することにより診断する。
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■CKDの予防と治療 |
肥満の改善や減塩に心掛けることが大切。規則正しい食事、禁煙などの生活習慣の改善に加え、合併する糖尿病・高血圧・脂質異常症等の厳格な管理が必要です。血圧は130/80mmHg未満(尿蛋白1g/日では125/75mmHg未満)を目標に!家庭測定血圧では更に5mmHg低めに設定されております。血圧を下げる薬には腎臓を保護する臓器保護作用も認められるため、少し高めで様子をみるよりは薬物療法を積極的に併用することが大切です。 |