社団法人　松阪地区医師会

　
　 肺炎球菌は肺炎の起炎菌としてもっとも重要であり、気道感染、中耳炎、副鼻腔炎、敗 血症、髄膜炎などの原因菌となります。また抗生剤の効きにくい多剤耐性肺炎球菌が問題となってきました。そこで日本では昭和63年より、2歳以上から成人の接種が可能となりました。
　今回の新しい小児用の肺炎球菌ワクチンは、アメリカをはじめ100カ国ですでに10年前から小児に接種され、肺炎球菌による重い感染症が激減することが確認されました。
　 日本でも今年からこのワクチンを生後2カ月から9歳以下まで接種できるようになりました。

1. 2〜6カ月齢の場合（標準）
   

   初回免疫：	3回、いずれも27日間以上の間隔で皮下に注射する。ただし3回目接種については、12カ月齢未満までに完了すること。
   追加免疫：	初回免疫3回目接種後60日間以上の間隔をおいて、1回皮下に注射する。ただし12〜15カ月齢の間に行うこと。

   
   
2. 7〜12カ月齢未満の場合（接種もれ者）
   

   初回免疫：	2回、27日間以上の間隔で皮下に注射する。
   追加免疫：	初回免疫2回目後60日間以上の間隔をおいて、1回皮下に注射する。ただし12カ月齢後にする。

   
   
3. 12〜24カ月齢未満の場合（接種もれ者）
   60日間以上の間隔で2回皮下に注射する。
   　
4. 24カ月齢以上9歳以下（接種もれ者）
   1回のみ皮下に注射する。

（１）一般的注意

　 お子様が対象の場合は、安全に予防接種を受けられるよう、保護者の皆さん、ご注意をお願いします。

1. 受ける前日は入浴又はシャワーなどで体を清潔にし、当日は朝から子どもの状態をよく観察し、普段と変わったところがないか確認してください。接種に連れていく予定をしていても、体調が悪いと思ったら、やめる勇気をもちましょう。
2. 清潔な着衣をつけさせましょう。
3. 予診票は大切な情報です。責任をもって記入しましょう。（母子健康手帳は必ず持っていきましょう。接種できない場合もありますので、ご注意ください。）

1. 明らかに発熱のある人（37.5℃以上）
2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
3. 予防接種に含まれる成分で「アナフィラキシー」を起こしたことのある人（ショック状態になった人）
4. ポリオ、はしか、風しんの予防接種では妊娠していることが明らかな人
5. ポリオ、はしか、風しん、おたふくかぜ、みずぼうそうの診断を受けて１か月以内の人
6. その他、医師が不適当と判断した場合

1. 心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などで治療を受けている人
2. 前に予防接種を受けた時、2日以内に発熱、発しん、じんましんなどのアレルギーを思わす異常がみられた人
3. 薬の投与を受けて皮膚に発しんが出たり、体に異常をきたしたことがある人
4. 今までに「けいれん」をおこしたことがある人