ホーム > 健康アドバイス72
健康アドバイス72
好酸球性副鼻腔炎は、近年増えてきている慢性副鼻腔炎の一つのタイプです。
従来の「蓄膿症(ちくのうしょう)」と呼ばれる副鼻腔炎とは異なり、細菌感染よりも体のアレルギー反応や免疫の異常が大きく関わっていることが特徴です。
鼻の中や副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)に炎症が長く続き、鼻の中に「鼻茸(はなたけ)」と呼ばれるポリープができやすいのも特徴です。この炎症の中心となるのが「好酸球」という白血球の一種です。
本来、好酸球は寄生虫やアレルギー反応に関わる免疫細胞ですが、それによって副鼻腔に慢性炎症が引き起こされる疾患です。
好酸球性副鼻腔炎では、次のような症状がよくみられます。
・鼻づまり
両側の鼻が詰まることが多く、点鼻薬を使っても改善しにくい場合があります。
・においが分かりにくい
(嗅覚障害(きゅうかくしょうがい))
早期から強く現れることが多く、生活の質を大きく下げる要因となります。
・鼻水や後鼻漏(こうびろう)
鼻水が喉に流れ込むことで、咳や不快感が出ることもあります。
・喘息(ぜんそく)との関連
気管支喘息を合併する方が多く、鼻と肺の病気が連動して悪化することがあります。
一般的な細菌感染による副鼻腔炎は、抗菌薬や手術で比較的改善が期待できます。しかし、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいのが大きな特徴です。手術で鼻茸を取り除いても数か月から数年のうちに再び、鼻茸ができてしまうことがあります。そのため、長期的な管理が必要になります。
診断には、鼻内視鏡での観察やCT検査が用いられます。鼻茸の有無、副鼻腔の炎症の程度を調べ、さらに血液検査で好酸球の数を確認します。また鼻茸の病理学的診断も必要です。
治療の基本は、炎症を抑えて症状をコントロールすることです。
■薬物療法
・ステロイド薬(内服・点鼻)
炎症を抑える効果が高く、症状を軽減します。ただし、内服薬の長期使用は副作用のリスクもあるため、必要に応じて短期間使用します。
・抗ロイコトリエン薬
喘息にも使われる薬で、炎症をやわらげます。
・生物学的製剤
最近登場した注射薬で、特定の炎症物質をピンポイントで抑える治療で良好な成績が報告されていますが、適応が術後再発の方などとなるため、最初から使用できる薬ではありません。
■手術療法
内視鏡を用いた手術で鼻茸や膿(うみ)を取り除き、副鼻腔の通りをよくします。手術後も薬物療法を継続することで再発を防ぎやすくなります。
好酸球性副鼻腔炎は「治る」よりも「うまく付き合う」ことをめざす病気です。定期的な通院や治療の継続が必要になりますが、近年は新しい治療法の進歩により、生活の質を大きく改善できるようになってきました。
好酸球性副鼻腔炎は、アレルギーや免疫の異常によって起こる慢性的な副鼻腔炎で、鼻づまりや嗅覚障害を主な症状とします。
再発しやすく長期管理が必要ですが、薬物療法・手術・新しい生物学的製剤を組み合わせることで、症状を大きく改善することが可能です。