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健康アドバイス50
心筋梗塞とは、心臓の筋肉(
急性心筋梗塞を発症すると、14%以上の患者さんは病院に搬送される前に心停止となり、入院された患者さんのうち6%〜7%は入院30日以内に亡くなられます。平成27年に松阪市では心臓の病気を原因として272名(全体の13.5%)の方が亡くなられましたが、その内のおよそ半数は急性心筋梗塞もしくはそれに合併した不整脈が原因で亡くなられたと考えられ、突然死の原因となっています。
動脈硬化が原因で心臓の血管(冠動脈)にプラークが沈着します。
何らかの原因でプラークが破たんすると血管内でプラークの内容物と血液が混ざり合い血栓ができ、その結果血管が突然閉塞します。そのため狭窄がそれほどないような心臓の血管でも動脈硬化が存在すればプラークの破たんにより心筋梗塞が起きることがあります。
発症前4週間以内に狭心症発作(胸痛、みぞおちの不快感、
激しく締め付けられるような胸の痛みが30分以上継続し、その痛みは背中や左肩に及びます。呼吸困難、吐き気、
心臓の機能が低下することによる血圧低下(ショック)や急性心不全を発症することもあります。また致死的な不整脈を合併し心停止に至ることもあります。
糖尿病などで心臓の神経に異常が出ているような方では、全く症状がない場合や、症状が乏しい場合もあります。
緊急でただちに心臓カテーテル検査を行い、心臓に栄養を送っている血管(冠動脈)に造影剤を入れ詰まっている場所を調べます。
血管の閉塞部分が判明した場合、
1) 冠動脈ステント(風船と金網の筒による拡張
2) 冠動脈バイパス術(外科手術) 3)
80%前後は、1)の冠動脈ステント留置術が初期治療として選択されます。ステント留置術を緊急で行うことで早期に治療ができ、心筋梗塞の大きさを小さくすることができます。冠動脈ステント治療では心臓の閉塞している血管に細いワイヤーを通して風船で閉塞部を拡張します。風船で拡張した後に直径3mm前後の金属製のステントを留置し拡張状態を維持します。
ステント治療が困難な場合等では、2)の冠動脈バイパス手術が選択されます。冠動脈バイパス手術は開胸手術となります。自己の動脈もしくは静脈をバイパス血管として、心臓の冠動脈につなげて、新たな血液の通り道を作る治療を行います。
早期治療によりダメージを小さくすることはできますが、心筋梗塞を一度発症すると心機能は全く同じには戻りません。心不全や不整脈が起きないような管理を行い、再発防止、生活習慣病管理のため薬の内服を続ける必要があります。
心筋梗塞の原因は、動脈硬化によるものがほとんどですので、動脈硬化が進行しないような管理が必要です。心臓病のリスクは、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、腎臓病、家族歴です。
リスクを放置することにより動脈硬化が進行し心筋梗塞に至ります。
突然に心筋梗塞はおきますので、健診を受診し、生活習慣病の予防、早期発見、早期治療に務め、治療を行うことが重要です。医療機関を定期受診し自分の動脈硬化リスクを把握しましょう。
10年間の心臓血管病(狭心症、心筋梗塞、心臓突然死)の発症確率は大阪府にある国立循環器病研究センターから「吹田スコア」として報告されています。
上記の表にあるようにご自身の得点を計算してみてください。
合計得点により今後10年間の心臓血管病の発症確率が推定されます。
特にリスクの高い方は、得点を減らすことにより心臓血管病の発症確率を下げられます。自己管理を行いながら、全身の動脈硬化の状態を一度検査していただくことをお勧めいたします。
心臓の血管(冠動脈)をCTで、造影剤を注射することにより評価することができます。動脈硬化性の血管病変を評価することで治療が必要かどうか管理を強化するか等の判断ができます。
上記の画像では、右の冠動脈に
病院外での外傷を除く心停止のおよそ3分の1は、心筋梗塞が原因と言われており、元気な方が急に倒れた場合、心筋梗塞に引き続いて致死的な不整脈(心室細動など)が起きていることが多く、病院外で速やかに処置が行われなければ病院に搬送しても救命は非常に困難となります。速やかに救急車を要請し、心肺蘇生処置(
松阪地区でも一般市民の方が参加できる救急救命講習会を消防組合が中心となり行っておりますので、興味のある方は受講をお勧めいたします。
今までにない激しい胸の痛み、胸苦しさ等を感じた時は、心筋梗塞、