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健康アドバイス44
現在COPDの認知度は低く、平成25年から始まった【国民健康づくり運動プラン(健康日本21)】ではCOPDの認知度を平成34年度までに80%に引き上げる目標が掲げられました。しかし3年経過した今もなお、COPDの認知度は低いのが現状です。
COPDはタバコの煙などの有害物質を吸い込むことによって空気の通り道である気道(気管支)や酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。
COPDは有害物質を長期にわたり吸入・暴露することで起こる肺の炎症性疾患です。日本ではCOPDの原因の90%以上が喫煙によるものと言われています。喫煙以外で原因として挙げられるのは、粉塵(アスベスト)や化学物質によるもので、職業上それらを扱う人も発症する可能性があります。また大気汚染もCOPDの原因のひとつとして挙げられ、現在中国で問題となっているPM2.5もそのひとつです。
前述のとおり、COPDの90%以上が喫煙によるものだと言われています。COPDは別名で“タバコ病”とも言われています。タバコにはタール・ニコチン・一酸化炭素と三大有害物質が含まれています。また副流煙(タバコの先から出る煙)は主流煙(喫煙者が吸い込む煙)よりも悪く、タールは3.4倍・ニコチンは2.8倍・一酸化炭素は4.7倍にもなります。そのため、タバコを吸わない人でも家族や職場に喫煙者がいる場合、常用的に副流煙を浴びていると発病する可能性もあります。
世界での死亡率は第3位(日本WHO協会2012年データ)日本では10位(厚生労働省人口統計2014年)と全体的に死亡者数は年々増加傾向にあり、今後10年間でさらに30%増加すると予測されており、2020年には日本でも死亡原因の第3位になると推定されています。
COPDの初期症状はほとんどなく、次第に進行していくと上図のような症状が現れます。典型的な身体症状も重症になって初めて現れることが多いため、早期に気づきにくいことが特徴です。重症になると、歯磨きや着衣の動作でも強い息切れが現れます。
COPDは肺だけでなく全身に影響を与えます。 進行すると体重減少や食欲不振も起こり、生命予後との関係も明らかにされています。
COPDの潜伏患者は530万人と多く、治療を受けているのは17.3万人と氷山の一角にすぎません。また、COPDは治りますか?と聞かれることが多々ありますが、根治(完全に健康な状態に回復する事)は困難です。ただ、禁煙や適切な治療を行うことによって進行を食い止め症状を軽くすることは可能です。
まとめ
まずは何といっても禁煙が重要です。「今はまだ若いから…」「当てはまらないから大丈夫」と思って喫煙を続けていると「気づいた時には発病していた」ということになりかねません。
そして次に、毎年定期的に検診を受けることが重要です。また、喫煙歴がある人は呼吸機能検査も実施しましょう。
最後に・・・
上記に当てはまる人は放置せずにかかりつけの医療機関を受診して医師に相談して下さい。